労働時間・休日・休暇

専門業務型裁量労働制導入時の注意点

IT企業の多くは、年度で賃金総額を決めて、各エンジニアの裁量で業務を行うことが慣習となっているため、残業時間に対する意思が労使双方希薄です。

一方で昨今の未払い残業代問題に目を向け、後で残業代でトラブルにならないように整備を初める企業も増えています。
ただし、未払い残業代が起こらないように適切に制度設計ができているかを言えば、疑問が残る企業が多いようにも思われます。

そこで、今回はよくある質問である「専門業務型裁量労働制導入時の注意点」についてお話いたします。

まず「専門業務型裁量労働制」には厳格な要件が定めれています。
対象業務も明確になっていますが、IT企業においては以下の業務を不適切な形で対象にいれているケースを見かけます。

情報処理システム(電子計算機を使用して行う情報処理を目的として複数の要素が組み合わされた体系であつてプログラムの設計の基本となるものをいう。(7)において同じ。)の分析又は設計の業務

これだけの記載では、うちのエンジニアは対象だととらえてしまし、対象業務に該当しているように思えますが、以下ような注釈があるので確認しておく必要があります。

「情報処理システム」とは、情報の整理、加工、蓄積、検索等の処理を目的として、コンピュータのハードウェア、ソフトウェア、通信ネットワーク、データを処理するプログラム等が構成要素として組み合わされた体系をいうものであること。
「情報処理システムの分析又は設計の業務」とは、(i)ニーズの把握、ユーザーの業務分析等に基づいた最適な業務処理方法の決定及びその方法に適合する機種の選定、(ⅱ)入出力設計、処理手順の設計等アプリケーション・システムの設計、機械構成の細部の決定、ソフトウェアの決定等、(ⅲ)システム稼働後のシステムの評価、問題点の発見、その解決のための改善等の業務をいうものであること。プログラムの設計又は作成を行うプログラマーは含まれないものであること。


特に太字下線の部分です。
「プログラマーは含まれない」となっています。
すくなくとも上記(ⅰ)(ⅱ)および(ⅲ)の業務内容に合致しているか検討する必要があります。

裁量労働制は「労働時間がみなされるため」労務管理上の手間が大幅に削減されます。その反面で長時間労働につながるため厳格な要件が定められています。

少なからず、対象業務が合致しているか否かは慎重に判断する必要あります。